9月に入ると、4月に立てた計画の半年モニタリングが始まります。目標ごとに「達成」「一部達成」「未達成」を選び、考察を書く。そのとき、「達成にしたけれど、根拠を聞かれたら答えられるだろうか」と不安になったことはありませんか。
達成度の判断が感覚になってしまうのは、目標が「〜が向上する」「〜に慣れる」のように、数えられない形で書かれていることが多いからです。この記事では、達成度を数えられる形にするための考え方を書きます。
この記事の結論 達成度が感覚になるのは、目標に「何を数えるか」が書かれていないからです。目標を「頻度」「時間」「量」「場面」のどれかで書いておけば、半年後の記録から数えるだけで達成度が決まります。今回のモニタリングで数えられなかった目標は、次の計画で数えられる形に書き直しましょう。
「向上する」は数えられない
「コミュニケーション能力が向上する」「集団活動に慣れる」「落ち着いて過ごせるようになる」。こうした目標は、方向性としては正しいのですが、半年後に達成したかどうかを判断する材料がありません。「前より慣れた気がする」という感覚で「一部達成」を選ぶことになります。
一方、「職員の声かけで、3人程度の小集団活動に10分参加できる」という目標なら、記録から「参加できた回数」「参加した時間」を拾えば、達成度が決まります。
数えられる目標の4つの形
短期目標を書くとき、次のどれかを含めると数えられるようになります。
| 形 | 例 |
|---|---|
| 頻度 | 週に3回以上、自分から「貸して」と言える |
| 時間 | 集団活動に10分参加できる |
| 量 | 昼食で3種類の食材を食べられる |
| 場面 | 送迎車の乗り降りで、職員と手をつないで待てる |
「できる」の前に、どの場面で、どのくらい、という条件を添えるだけです。全部の目標を数値にする必要はありません。「この目標は頻度で見る」と決めておくだけで、記録の拾い方が変わります。
記録から数える
数えられる目標があっても、記録に材料がなければ数えられません。半年分の記録を読み返して、目標に関する出来事を拾います。
このとき、記録に「参加できた」「途中で離れた」「声かけで戻れた」と書かれていれば、月ごとに回数を数えられます。「10月は週1回程度、1月は週3回」と並べれば、変化が見えます。
記録にそれが書かれていなかった場合は、今回は担当職員の記憶を頼りに評価するしかありません。その場合は、考察に「記録からは頻度を確認できなかったため、担当職員の観察による評価」と正直に書き、次の半年は記録に残すことを決めます。
「一部達成」を具体的に書く
「一部達成」は便利な言葉ですが、それだけでは次の計画に何もつながりません。「一部達成」を選んだら、どの部分ができて、どの部分ができていないかを書きます。
例:「声かけがあれば10分参加できるようになった(達成)。自分から参加することはまだ少ない(未達成)。次期は声かけを減らすことを目標にする。」
このように分けて書くと、次の計画の短期目標がそのまま決まります。
保護者との評価のずれ
モニタリングを保護者に説明したとき、「家ではそんなにできていません」と言われることがあります。事業所と家庭で姿が違うのは自然なことです。評価を変える必要はありませんが、「事業所では〜、家庭では〜」と両方を書き、次の計画で「家庭でもできる」ことを目標に加えると、保護者の納得感が高まります。
今回できなくても大丈夫
今回のモニタリングで、数えられない目標が多くても、自分を責める必要はありません。半年前の計画を書いたときには、数える発想がなかっただけです。今回のモニタリングで「この目標は数えられなかった」と気づいたことが、次の計画を良くします。次の計画の短期目標に、頻度・時間・量・場面のどれかを入れることから始めてください。
まとめ
達成度が感覚になるのは、目標に何を数えるかが書かれていないからです。頻度・時間・量・場面のどれかで目標を書き、記録に材料を残し、一部達成は「できた部分」と「できていない部分」に分けて書く。今回数えられなかった目標は、次の計画で数えられる形に書き直しましょう。
つむぎあいでは、モニタリングの画面に目標ごとのケア記録が並び、AIが記録を根拠に考察の下書きを作ります。「数える」モニタリングを仕組みにする手段のひとつとして参考にしてください。
