児童発達支援・放課後等デイサービスでは、事業所の自己評価と保護者評価を年に1回以上行い、その結果を公表することが求められています。アンケートを集計していると、自由記述欄に厳しい言葉が書かれていることがあります。
「連絡帳の内容が毎回同じ」「計画の説明が分かりにくかった」「子どもが事業所で何をしているのか分からない」。こうした声を読んで、その夜は眠れなかった、という児発管もいると思います。職員が一生懸命やっていることを知っているからこそ、つらい。
この記事では、厳しい声をどう受け止め、支援の改善につなげるかを考えます。
この記事の結論 保護者評価の厳しい声は、事業所を責める言葉ではなく、「こうしてほしかった」という期待の裏返しです。声を「事実」と「期待」に分けて読み、改善できることを一つ決めて実行し、その結果を公表で伝える。それが保護者との信頼を深める一番の方法です。
厳しい声の読み方
厳しい声を読むとき、まず感情が動くのは自然なことです。そのうえで、次のように分けて読むと、改善の手がかりが見えてきます。
| 保護者の声 | 事実 | 期待 |
|---|---|---|
| 連絡帳の内容が毎回同じ | 連絡帳の文章が定型的になっている | その日のわが子の様子を知りたい |
| 計画の説明が分かりにくかった | 説明で専門用語が多かった可能性 | 計画を理解して、家でも協力したい |
| 何をしているのか分からない | 活動の様子が家庭に伝わっていない | 事業所での過ごし方を知って安心したい |
「期待」の列を読むと、保護者は事業所に関心を持ち、関わりたいと思っていることが分かります。厳しい声を書く保護者は、事業所に無関心な保護者ではありません。
職員への伝え方
厳しい声をそのまま職員に伝えると、職員は傷つき、防衛的になります。一方で、伝えなければ改善は始まりません。
伝えるときは、次の順番をおすすめします。
- 感謝の声を先に伝える(良い評価も必ずあるはずです)
- 厳しい声を「期待」として伝える(「保護者は○○を知りたいと思っている」)
- 事業所として改善できることを一つ、職員と一緒に決める
個人を責める形にならないよう、「事業所としての課題」として伝えることが大切です。
改善は「一つ」から
厳しい声がいくつもあると、すべてに対応したくなります。しかし、一度にすべてを変えようとすると、職員の負担が増え、どれも続きません。
最も多かった声、または最も改善しやすい声を一つ選び、半年かけて取り組みます。
- 連絡帳が定型的 → 「その日の目標に関することを一文入れる」
- 計画の説明が分かりにくい → 「説明のとき、家庭の場面に置き換えて一言添える」
- 活動が見えない → 「月に一度、活動の様子を写真付きで伝える」
一つ改善できると、職員は「変えられる」と実感でき、次の改善にも取り組みやすくなります。
公表での伝え方
自己評価と保護者評価の結果は、改善の方針とあわせて公表します。厳しい声を隠すのではなく、「保護者から○○というご意見をいただきました。事業所として△△に取り組みます」と書くことで、保護者は「声が届いた」と感じます。
公表は、保護者との対話の続きです。翌年のアンケートで「連絡帳が変わった」という声が届けば、それは職員にとって大きな励みになります。
個別に対応すべき声
自由記述の中には、特定の職員への苦情や、安全にかかわる内容が含まれていることもあります。その場合は、アンケートの集計とは別に、管理者と相談して個別に対応します。匿名のアンケートであっても、安全にかかわる内容は見過ごさないことが大切です。
児発管自身が受け止めるために
厳しい声を読んで落ち込むのは、それだけ真剣に仕事をしている証です。一人で抱え込まず、管理者や信頼できる職員と一緒に読むことをおすすめします。そして、同じアンケートに書かれている感謝の言葉も、同じ重さで受け取ってください。
まとめ
保護者評価の厳しい声は、期待の裏返しです。事実と期待に分けて読み、職員には感謝の声とあわせて「期待」として伝え、改善を一つ決めて半年取り組み、その結果を公表で伝えます。自己評価・保護者評価の項目や公表の方法は、最新の通知と自治体の案内で確認してください。
つむぎあいでは、ケア記録から連絡帳を作成して保護者ポータルで共有でき、計画の目標に沿った一文を日々の連絡に入れやすくなります。保護者の「知りたい」に応える手段のひとつとして参考にしてください。
