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つむぎあい
現場コラム

PT・OT・ST・心理職の見立てを計画にまとめる難しさ|多職種の意見を一本の計画に

作業療法士(OT)は「感覚の偏りから、座位保持が難しい」と言い、言語聴覚士(ST)は「理解語彙に比べて表出が少ない」と言い、心理職は「不安の高さが行動に影響している」と言う。どれも正しく、どれも大切な見立てです。そして児発管は、それを一本の計画にまとめなければなりません。

専門職が複数いる事業所ほど、計画の質は高まります。一方で、それぞれの見立てを集め、専門用語を翻訳し、目標の優先順位を決める作業は、児発管にとって簡単ではありません。この記事では、多職種の見立てを計画にまとめるための考え方を書きます。

この記事の結論 多職種の見立ては、「どれを採用するか」ではなく「同じ子どもの、どの困りごとを説明しているか」で束ねます。困りごとを一つ決め、それぞれの専門職がその困りごとにどう関わるかを並べると、専門職の意見は競合せず、一本の計画になります。

見立てがまとまらない理由

多職種の見立てがまとまらないのは、それぞれが「自分の専門の視点」で子どもを見ているからです。OTは体と感覚、STは言葉とコミュニケーション、心理職は気持ちと認知、PTは姿勢と運動。同じ「集団活動に参加できない」という姿を、それぞれ違う原因で説明します。

どれも正しいのに、計画書には一つの目標しか書けない。そこで児発管は「どれを優先するか」で悩みます。しかし、優先順位を決める前に、別の整理の仕方があります。

困りごとで束ねる

まず、子どもの困りごとを一つ決めます。たとえば「集団活動に参加できない」。次に、それぞれの専門職の見立てを、その困りごとの説明として並べます。

専門職見立て手立て
OT座っていると体が不安定で疲れやすい座面にクッションを使い、活動の前に体を動かす時間を入れる
ST指示の言葉が長いと理解できない指示を短く区切り、絵カードを添える
心理見通しが持てないと不安が高まる活動の流れを最初に示す
保育士好きな遊びなら参加できる好きな遊びを活動の入口にする

こうして並べると、見立ては競合せず、同じ困りごとを多方面から支える手立てのセットになります。計画の目標は「集団活動に10分参加できる」一つで、支援内容に各専門職の手立てを書けばよいのです。

専門用語を「共通の言葉」に

専門職の見立ては、専門用語で出てくることが多いものです。計画書は保護者にも説明する書類なので、共通の言葉に置き換えます。

  • 「前庭覚の低反応」→「体のバランスを感じ取りにくく、じっとしていると落ち着かない」
  • 「表出語彙が少ない」→「分かっている言葉に比べて、話せる言葉が少ない」
  • 「予期不安が高い」→「先のことが分からないと、不安になりやすい」

置き換えた言葉を専門職に確認してもらうと、意図がずれていないか分かり、専門職も「伝わる言葉」を意識するようになります。

検討会の進め方

多職種の見立てをまとめる場は、検討会(担当者会議)です。次の順番で進めると、議論が散らばりません。

  1. 児発管が、今回の計画で取り上げる困りごとを示す
  2. 各専門職が、その困りごとについての見立てを一言ずつ述べる
  3. 各専門職が、自分の関わりでできる手立てを述べる
  4. 児発管が、目標と手立てのセットとしてまとめ、確認する

議事録には、各専門職の見立てと手立てを残しておきます。後から「なぜこの手立てにしたのか」を振り返るときの根拠になります。

専門的支援加算との関係

専門職による支援を計画的に行う場合、専門的支援加算の対象となることがあります。加算を算定する場合は、専門的支援計画の作成や実施記録など、要件があります。要件は最新の告示・通知・Q&Aで必ず確認してください。

児発管の役割は「翻訳者」

多職種の見立てをまとめるとき、児発管の役割は、どの専門職が正しいかを判断することではありません。それぞれの見立てを共通の言葉に翻訳し、困りごとを中心に束ね、保護者に伝わる計画にすることです。専門職が多い事業所の児発管は、翻訳者であり、編集者です。

まとめ

多職種の見立ては、困りごとを一つ決めて、その説明として並べると、競合せずに一本の計画になります。専門用語は共通の言葉に置き換え、検討会では困りごと→見立て→手立ての順で進めます。児発管は、専門職の見立てを翻訳し、束ねる役割を担います。

つむぎあいでは、専門職の見立てを検討会の議事録に残し、本書と専門的支援計画に反映できます。多職種の見立てを一本の計画にまとめる手段のひとつとして参考にしてください。

執筆:つむぎあい編集部(株式会社時織)

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