3月、事業所を離れる子どもたちがいます。年長児の就学、高校3年生の卒業、転居や事業所の変更。長く関わった子どもほど、最後の日は特別なものになります。
その一方で、児発管には「最後の書類」があります。最終のモニタリング、利用終了の手続き、次の支援先への情報提供。この記事では、送り出す側の児発管が、子どもの記録をどう締めくくり、次へ渡すかを考えます。
この記事の結論 最後のモニタリングは、半年ではなく「利用期間全体」を振り返って書きます。そして、効果があった手立てと配慮事項をまとめた資料を、保護者の同意のもとで保護者自身に渡します。保護者が資料を持っていれば、次の場所がどこであっても、子どもの支援はつながります。
最後のモニタリングは「全体」を振り返る
通常のモニタリングは、直近の計画期間の評価です。しかし、利用終了時のモニタリングは、利用期間全体を振り返る機会でもあります。
総合所見に、次のような内容を書いておくと、保護者と次の支援先にとって価値のある記録になります。
- 利用開始時の姿と、終了時の姿(何が変わったか)
- 利用期間を通じて効果があった手立て
- 課題として残っていること、次の環境で気をつけたいこと
- 保護者との協力で実現できたこと
「2年前は集団に入れず部屋の隅で過ごしていたが、絵カードで見通しを持つことで自分から参加できるようになった。新しい環境でも、最初の数週間は写真や絵で流れを示すことが有効と考えられる」。このように、次の場所への「申し送り」の形で書きます。
保護者に渡す資料
次の支援先への情報提供は、事業所から直接行う場合と、保護者を通じて行う場合があります。どちらであっても、保護者自身に「子どもの支援の記録」を渡しておくことをおすすめします。
保護者が持っていれば、次の場所が学校でも、別の事業所でも、就労の場でも、保護者から渡せます。事業所が直接渡すには同意や手続きが必要ですが、保護者自身が持っている資料は、保護者の判断で使えます。
資料の内容は、次の4つで十分です。
- 効果があった手立て(絵カード、事前の予告、休憩の入れ方など)
- 苦手なことと、落ち着く方法(音、触感、混雑、落ち着ける場所)
- 得意なこと、好きなこと(新しい関係づくりの入口になる)
- 直近の計画の目標と、達成状況
書類がつながった形で残っていれば、これはモニタリングと記録から「抜き出す」だけで作れます。A4で1〜2枚。最終面談で保護者に手渡し、「次の場所で困ったら、これを見せてください」と伝えます。
記録の保存
利用終了後の記録は、法令や自治体の定めに従って保存します。保存期間は指定権者の基準で確認してください。保存しておくことは、事業所の義務であると同時に、数年後に保護者から「当時の記録を見せてほしい」と言われたときに応えられる備えでもあります。
紙のファイルで保管していると、数年後に探し出すのは困難です。デジタルで、子どもごとにまとまった形で保存しておくと、後から確認できます。
最終面談で伝えること
最終面談は、事務手続きの場ではなく、保護者と一緒に子どもの成長を確かめる場です。「利用開始時はこうでしたね」「この2年で、ここまで変わりましたね」と、記録を見ながら振り返ります。保護者にとって、事業所での年月が意味のあるものだったと感じられる時間になります。
そして、「これからも困ったことがあれば連絡してください」と伝えられる範囲で伝えます。制度上の関わりは終わっても、保護者にとって「相談できる場所があった」という記憶は残ります。
送り出す側の気持ち
長く関わった子どもを送り出すのは、うれしくもさびしいことです。職員の中には、涙する人もいます。それは自然なことで、それだけの関わりがあった証です。
最後の日の後、その子の記録が事業所に残り、保護者の手元に資料が渡り、次の場所で使われる。事業所の支援は、記録という形で子どもについていきます。それが、送り出す側にできる最後の支援です。
まとめ
最後のモニタリングは、利用期間全体を振り返り、次の場所への申し送りの形で書きます。効果があった手立てと配慮事項をまとめた資料を、保護者自身に渡します。記録は定められた期間、子どもごとにまとまった形で保存します。最終面談は、成長を一緒に確かめる時間にします。記録は、事業所の支援を子どもと一緒に次の場所へ運びます。
つむぎあいでは、子どもごとに計画・モニタリング・記録が時系列でつながり、利用終了時の資料を過去の書類から抜き出して作れます。送り出すときの記録を整える手段のひとつとして参考にしてください。
