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つむぎあい
現場コラム

就学・進級を見据えた秋の計画|年長児・高学年児のために、いまから準備すること

秋になると、年長児の保護者から「就学のことで相談したい」という声が増えます。就学相談の結果が出る時期、支援学級か通常学級かで悩む保護者、小学6年生の中学進学、高校3年生の卒業後の進路。事業所の中でも「来年はどうなるのだろう」という空気が生まれます。

児発管として、就学先を決めるのは保護者と教育委員会であり、自分たちが決めることではありません。しかし、次の環境で子どもが困らないように準備することは、計画の中でできます。この記事では、秋の計画に移行支援をどう組み込むかを書きます。

この記事の結論 移行支援は、就学先を決めることではなく、次の環境で必要になる力を計画に入れ、これまでの記録を次の場所に渡す準備をすることです。秋の計画で「移行に向けた目標」を1つ入れ、冬に引き継ぎ資料をまとめれば、春の移行がなめらかになります。

秋の計画に「移行に向けた目標」を入れる

年長児・小学6年生・高校3年生の秋の計画では、短期目標に「次の環境で必要になる力」を1つ入れます。

  • 年長児:「朝の会で、名前を呼ばれたら返事をして立てる」「トイレに行きたいことを言葉やカードで伝えられる」「45分程度、椅子に座って活動に参加できる」
  • 小学6年生:「時間割を見て、自分で次の準備ができる」「初めての場所でも、決まった流れがあれば落ち着いて過ごせる」「困ったときに『分からない』と言える」
  • 高校3年生:「決まった時間に起きて身支度ができる」「公共交通機関で目的地まで行ける」「作業を指示どおり続けられる」

どれも、事業所での日々の活動の中で取り組めることです。5領域では「健康・生活」「人間関係・社会性」に対応することが多くなります。

保護者の迷いに寄り添う

就学先で迷っている保護者に対して、児発管ができるのは「事業所で見えている姿」を正直に伝えることです。「集団の中では、視覚的な手がかりがあれば見通しを持って動けています」「初めての場所では、慣れるまでに時間がかかります」。良い面も課題も具体的に伝えると、保護者は判断の材料にできます。

「支援学級の方がいいと思います」と事業所が判断を示すのは慎重にするべきですが、聞かれたときには、根拠のある事実を伝えることが保護者への誠実さです。

記録を「次の場所」に渡す準備

移行支援でいちばん役に立つのは、これまでの記録です。就学先の学校や進学先には、保護者の同意を得たうえで、次のような情報を渡せると、子どもは新しい環境で困りにくくなります。

  • 効果があった手立て(絵カード、写真での見通し、事前の予告など)
  • 苦手な刺激と落ち着く方法
  • 得意なこと、好きなこと(関係づくりの入口になる)
  • 直近の計画の目標と達成状況

事業所の書類がつながった形で残っていれば、この資料は「まとめる」だけで作れます。書類が散らばっていると、冬に一からまとめ直すことになります。秋のうちに、対象の子どもの計画・モニタリング・記録がすぐ見られる状態にしておくことをおすすめします。

関係機関との連携

就学に向けては、相談支援専門員、就学先の学校、必要に応じて医療機関との情報共有が生まれます。学校との連携は、保護者を通じて行うのが基本ですが、保護者の希望があれば事業所から学校に直接情報を伝えることもあります。個人情報の取り扱いは、保護者の同意を必ず得てください。

移行支援は加算の対象となる場合もあります。要件は最新の告示・通知で確認してください。

送り出す側の気持ち

卒業や進学で事業所を離れる子どもを送り出すのは、うれしくもさびしいことです。長く関わった子どもほど、その気持ちは強くなります。だからこそ、記録を次の場所に渡すことは、事業所の支援が終わった後も子どもを支える手段になります。「うちで見てきたことが、次の場所でも役に立つ」と思えると、送り出す気持ちも少し変わります。

まとめ

秋の計画には、次の環境で必要になる力を短期目標に1つ入れます。保護者の迷いには、事業所で見えている姿を正直に伝えます。そして、効果があった手立てや苦手なことをまとめた資料を、保護者の同意のもとで次の場所に渡す準備を始めます。書類がつながっていれば、この準備は「まとめる」だけで済みます。

つむぎあいでは、子どもごとに計画・モニタリング・記録が時系列でつながり、効果があった手立てや配慮事項をすぐに振り返れます。次の場所へ渡す資料を作る手段のひとつとして参考にしてください。

執筆:つむぎあい編集部(株式会社時織)

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