4月の事業所は、独特の空気があります。新しく利用を始める子どもたちの緊張、進級や就学で環境が変わった子どもたちの不安定さ、そして職員の入れ替わり。児発管はその中で、新規利用児のアセスメントと契約、初回の個別支援計画、既存児童の更新を並行して進めます。
「一人ひとりをちゃんと見たいのに、書類を回すだけで4月が終わってしまう」。そう感じている児発管に向けて、4月の乗り切り方を書きます。
この記事の結論 4月は「全部を完璧に」ではなく「順番を決めて」乗り切る月です。新規利用児の初回計画は、暫定的な内容でよいと割り切り、1か月かけて子どもを知ることを優先します。完璧な計画より、安全と信頼関係の土台づくりが先です。
4月に重なるもの
4月に児発管の手元に集まるものを書き出してみます。
- 新規利用児の契約、受給者証の確認、相談支援専門員とのやりとり
- 新規利用児のアセスメントと初回の個別支援計画(利用開始までに作成)
- 4月更新の既存児童のモニタリングと計画
- 進級・就学で学校や園が変わった子どもの様子の変化への対応
- 新しい職員への引き継ぎと、担当の割り当て
- 支援プログラムの公表と職員への共有
これを一度に、しかも同じ質でやろうとすると、どれも中途半端になります。順番をつけましょう。
優先順位のつけ方
最優先:安全にかかわること
新規利用児について、最初に把握するのは目標ではなく「安全にかかわる情報」です。アレルギー、てんかんなどの持病、パニックのきっかけ、飛び出しの有無、苦手な音や感触。この情報は初日までに職員全員に共有します。目標は後からでも立てられますが、安全は初日から必要です。
次に:初回計画は「暫定」でよいと割り切る
利用開始までに作る初回の個別支援計画は、面談と事前情報から作る暫定的なものです。利用を始めてから見えてくることの方が圧倒的に多いので、初回計画は「まず慣れることを目標にする」「1〜2か月後に見直す」と明記しておけば十分です。
初回計画に長期目標を無理に細かく書こうとすると、面談での聞き取りだけで作った目標になり、実際の姿と合わなくなります。「慣れる期間」を計画に組み込むことは、手抜きではなく、子どもに合った計画を作るための手順です。
そのあと:既存児童の更新
4月更新の既存児童は、前回の計画とモニタリングがあるので、新規児童よりも書きやすいはずです。ただし、進級・就学で環境が変わった子どもは、3月までの姿と4月の姿が違うことがあります。「学校が変わって、朝の様子はどうか」を保護者に一言聞いてから計画を確定します。
新規利用児を「知る」1か月にする
初回計画を暫定にした分、4月から5月は、子どもを知ることに時間を使います。
- 担当職員に、毎日一行でいいので「気づいたこと」を記録してもらう
- 2週間たったら、担当職員と5分だけ「どんな子だと思う?」と話す
- 保護者には、送迎時に「家ではどうですか」と短く聞き続ける
この1か月の記録と会話が、5〜6月に作る「本当の」計画のアセスメントになります。初回のアセスメントで分からなかったことが、この期間に自然と集まります。
職員が変わった年の4月
職員の入れ替わりがあった年は、児発管の負担がさらに増えます。新しい職員に、計画の意図や子どもの配慮事項を伝えながら、自分の書類も進めなければなりません。
このとき役に立つのが、子どもごとの「配慮事項の一覧」です。安全にかかわる情報と、効果があった手立て・なかった手立てを1枚にまとめたものがあれば、新しい職員は初日から動けます。3月のうちに作っておけると理想ですが、4月に作っても十分に役立ちます。
自分の体調を守る
4月は児発管自身の体調も崩れやすい時期です。新しい子どもと保護者と職員に囲まれ、書類に追われ、気づくと昼食を取っていない日が続く。そんなときこそ、「今日は書類を1件だけ進める」と決めて帰ることも必要です。児発管が倒れると、事業所の計画は止まります。
まとめ
4月は、安全にかかわる情報の共有を最優先にし、初回計画は暫定でよいと割り切り、既存児童の更新では環境の変化を確認する。そして4月から5月は、新しい子どもを知る期間にする。この順番で、4月を「書類を回すだけの月」から「子どもを知る月」に変えられます。
つむぎあいでは、アセスメントの結果と日々の記録が子どもごとにまとまり、暫定の初回計画を1〜2か月後に見直すときも、その間の記録を材料にできます。4月から5月の「知る期間」を計画につなげる手段のひとつとして参考にしてください。
