令和6年度の報酬改定で、児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所には「支援プログラム」の作成と公表が求められるようになりました。令和6年度中は経過措置とされていましたが、令和7年4月以降は未公表の場合に減算の対象となります。
「作らなければいけないのは分かっているが、何をどこまで書けばいいのか」「個別支援計画との関係がよく分からない」という声を、この時期になって多く聞きます。この記事では、3月のうちに確認しておきたいことを整理します。制度の詳細や様式は、こども家庭庁の通知と自治体の案内で必ずご確認ください。
この記事の結論 支援プログラムは、事業所として「5領域それぞれにどんな支援を行うか」を示す文書です。個別支援計画は、その事業所の支援プログラムの中で、その子に何をするかを示すものです。両者が対応していれば、運営指導で「つながり」を問われても説明できます。
支援プログラムとは何か
支援プログラムは、事業所の支援の全体像を示す文書です。おおむね次の内容を含みます。
- 事業所の支援方針(どんな考え方で支援するか)
- 5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)それぞれについて、事業所として提供する支援の内容
- 家族支援、移行支援、地域連携の考え方
- 活動の例(1日の流れや、主な活動プログラム)
作成したものは、事業所のホームページなどで公表することが求められます。ホームページがない場合は、事業所内の掲示や配布でも認められる場合がありますので、自治体に確認してください。
3月に確認しておきたい5つのこと
1. 5領域すべてに触れているか
「うちは運動療育が中心だから」という事業所でも、5領域すべてを含めた総合的な支援が基本とされています。運動が中心であっても、その活動の中で「言語・コミュニケーション」や「人間関係・社会性」にどう働きかけているかを書くことで、5領域を網羅した支援プログラムになります。
2. 個別支援計画の支援内容と対応しているか
個別支援計画の支援内容の各項目が、支援プログラムのどの部分にあたるかを説明できる状態が望ましいとされています。計画書の支援内容の欄に「領域」を書く欄があるか、いま一度確認してください。欄がない場合は、4月からの計画で追加することをおすすめします。
3. 事業所の理念と合っているか
支援プログラムはひな形をそのまま使うと、どこの事業所でも同じ文章になります。運営指導では、その内容が実際の支援と一致しているかが見られます。理念や大切にしている考え方が反映されているか、職員が読んで「うちの事業所のことだ」と思えるかを確認してください。
4. 公表の方法が決まっているか
ホームページに掲載するのか、掲示や配布にするのか。掲載する場合は誰が更新するのか。公表の「方法」と「担当」が決まっていない事業所が意外と多いです。3月中に決めておきます。
5. 職員に共有されているか
支援プログラムは、児発管が一人で作って提出して終わりではなく、職員全員が「自分たちの支援の説明書」として持っているものです。年度初めの職員会議で共有し、日々の活動がどの領域に対応しているかを話し合う時間をとると、記録の書き方も変わります。
個別支援計画とのつなげ方
支援プログラムができたら、個別支援計画の作り方も少し変わります。アセスメントの項目を5領域に対応させ、計画の支援内容の各項目に領域を書き、モニタリングで領域ごとに振り返る。この流れができると、「支援プログラム→個別支援計画→記録→モニタリング」が1本につながり、制度が求める「つながり」が書類の流れの中で自然に残ります。
焦らなくても大丈夫なこと
「完璧な支援プログラムを4月1日までに作らなければ」と焦る必要はありません。支援プログラムは、作成して終わりではなく、自己評価や保護者評価を踏まえて見直していくものとされています。まず現状の支援を正直に書き、年度の途中で見直していく方が、実態に合った文書になります。
まとめ
支援プログラムは、事業所の支援の全体像を5領域で示す文書です。3月のうちに、5領域の網羅、個別支援計画との対応、理念との整合、公表の方法、職員への共有の5点を確認してください。減算や公表の要件、様式の詳細は、最新の通知と自治体の案内で確認しながら進めてください。
つむぎあいでは、アセスメントの項目が5領域に対応し、個別支援計画の支援内容に領域の欄があり、モニタリングで5領域評価ができます。支援プログラムと個別支援計画のつながりを書類の流れの中で残す手段のひとつとして参考にしてください。
