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つむぎあい
現場コラム

計画書の言葉が保護者に届かない|児発管のための専門用語の言い換え帳

個別支援計画書を保護者に説明していて、途中から保護者の表情が固まっていくのを感じたことはありませんか。「感覚統合の視点から」「構造化された環境で」「応用行動分析に基づき」。こちらとしては正確に書いたつもりの言葉が、保護者には「よく分からないが、専門家が言うのだから」という沈黙を生んでいます。

計画書は、事業所の内部文書ではなく、保護者に説明し、同意を得て交付する書類です。読んでもらえなければ、同意は形だけになります。この記事では、よく使う専門用語の言い換えと、書くときの心がけをまとめます。

この記事の結論 専門用語は「使わない」のではなく、「短い説明を添える」か「保護者の生活の言葉に置き換える」かのどちらかにします。計画書を読んだ保護者が「家でもやってみよう」と思える言葉で書けたとき、計画は保護者と事業所の共通の道具になります。

よく使う専門用語の言い換え

専門用語保護者に伝わる言い換え
感覚統合体の動きや、音・触った感じなどの受け止め方を整えること
構造化場所や時間、やることを分かりやすく区切って示すこと
視覚支援絵や写真、文字で「次に何をするか」を見て分かるようにすること
応用行動分析(ABA)行動の前後を見て、よい行動が増えるように関わり方を工夫すること
自己肯定感「自分はこれでいい」と思える気持ち
共同注意相手と同じものに目を向けて、気持ちを共有すること
微細運動指先の細かい動き(ボタン、はさみ、鉛筆など)
粗大運動体全体を使う大きな動き(走る、跳ぶ、登るなど)
実行機能段取りを考えて、順番に取り組む力
感覚過敏音や光、触った感じを強く感じすぎてつらくなること
プロンプト手助けのための声かけや手を添えること
スモールステップ小さな段階に分けて、一つずつ進めること

言い換えを使うと文章は長くなりますが、保護者が読んで分かる方が、計画書としての価値は高くなります。

書くときの3つの心がけ

1. 専門用語には短い説明を添える

専門用語をどうしても使う場合は、「構造化(場所や時間を分かりやすく区切ること)」のように、かっこで短い説明を添えます。説明を添えるだけで、保護者は立ち止まらずに読み進められます。

2. 「家庭での場面」に置き換える

「感覚統合の視点から、前庭覚への刺激を提供する」より、「ブランコやトランポリンなど、体を大きく動かす遊びを取り入れる」の方が、保護者は家庭でも同じことができると気づきます。事業所での支援内容を、家庭の場面に置き換えて書くと、家族支援にもつながります。

3. 否定的な言葉を前向きな言葉に

「離席が多い」「他害がある」「指示が入らない」といった表現は、事実であっても、保護者にとっては責められているように感じられます。「活動の途中で席を立つことがある。見通しがあると最後まで座れる場面が増えている」のように、事実と、前向きな手がかりをセットで書きます。

説明の場で意識すること

書き方を変えても、説明の場で専門用語を連発しては同じことです。説明のときは、計画書の各項目について「これは、家で言うと○○のような場面のことです」と一言添えます。保護者が「ああ、あれのことか」と思えた瞬間に、計画は自分ごとになります。

説明の最後に「分かりにくい言葉はありませんでしたか」と聞くのも有効です。保護者は遠慮して聞き返せないことが多いので、こちらから尋ねることで、次回の計画書の言葉が改善されます。

職員間の共有との両立

「保護者向けに平易に書くと、職員間で専門的な意図が伝わらない」という心配もあります。その場合は、計画書本体は保護者に伝わる言葉で書き、職員向けの意図は検討会の議事録や支援の手順書に残すという分け方があります。計画書は保護者と共有する書類、専門的な意図は職員間の記録に、と役割を分ければ両立できます。

まとめ

専門用語は、短い説明を添えるか、家庭の場面の言葉に置き換えます。否定的な表現は、事実と前向きな手がかりをセットにします。説明の場では「家で言うと」と一言添え、分かりにくい言葉がなかったかを尋ねます。保護者が読んで「やってみよう」と思える計画書は、事業所と家庭をつなぐ共通の道具になります。

つむぎあいでは、事業所の療育方針や書きぶりをAIが踏まえて原案を作るため、平易な言葉で書く方針を決めておけば、その方針に沿った下書きから始められます。保護者に伝わる計画書を続けていく手段のひとつとして参考にしてください。

執筆:つむぎあい編集部(株式会社時織)

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