12月の事業所は、クリスマス会や年末の行事、年末年始の利用調整で慌ただしく、気づけば1年が終わっています。「今年も何とか回した」という安堵と同時に、「あの子はこの1年でどう変わったのだろう」と改めて考える余裕がないまま、年が明ける。そんな年末を過ごしている児発管は多いのではないでしょうか。
書類の上では、モニタリングで半年ごとに成長を評価しています。しかし、それを職員全員で「分かち合う」機会は、意外と少ないものです。この記事では、年末に児発管が主催する「振り返り会」を提案します。
この記事の結論 振り返り会は、職員が自分の記録と支援が子どもの成長につながったことを実感する場です。1人の子どもについて「1年前の姿」と「いまの姿」を並べ、誰の、どの関わりが効いたかを話すだけで、職員の記録の書き方と、計画への関心が変わります。
なぜ振り返り会が必要か
職員は日々、目の前の子どもに精いっぱいで、1年という長さで成長を見る機会がほとんどありません。半年前の計画に何が書かれていたか、自分の記録がモニタリングでどう使われたかを知らないまま、次の半年が始まります。
振り返り会は、その「つながり」を職員に見せる場です。自分の関わりが計画の目標につながり、記録が根拠になり、子どもの姿が変わった。それを実感した職員は、翌年の記録の書き方が変わります。児発管が「記録を書いてください」と何度も言うより、1回の振り返り会の方が効果があることも多いです。
進め方
準備:児発管が「1年前の姿」を用意する
対象の子どもを3〜5人選び、1年前(または利用開始時)の計画とアセスメントから、「当時の姿」を短くまとめます。「集団活動に入れず、部屋の隅で過ごすことが多かった」「言葉での要求がほとんどなく、泣いて伝えていた」など、事実を簡潔に。
当日1:「1年前の姿」を読み上げる
職員に1年前の姿を伝えると、「そうだった」「忘れていた」という声が出ます。ここで、いまの姿とのギャップに気づきます。
当日2:「いまの姿」を職員から出してもらう
「いま、この子はどうですか」と職員に尋ねます。担当職員だけでなく、他の職員からも。「自分から集団に入るようになった」「『貸して』と言えるようになった」。出てきた言葉は、そのまま次の計画の材料でもあります。
当日3:「何が効いたか」を話す
いちばん大切な問いです。「誰の、どの関わりが効いたと思いますか」。ここで、「○○先生が毎回絵カードを見せていた」「△△先生が『貸して』のモデルを根気よく示していた」という話が出ます。職員は、自分の関わりが子どもの変化につながったことを、仲間の口から聞くことになります。
当日4:記録を1つ紹介する
その子について、モニタリングの根拠になった記録を1つ紹介します。「11月の記録に『初めて自分から集団に入った』とありました。この一行がモニタリングの達成の根拠になりました」。記録が読まれ、使われていることを、具体的に伝えます。
時間と頻度
1人あたり15分程度、3〜5人で1時間ほどです。年末の職員会議の中に組み込めば、新たに時間を作る必要はありません。年に1回でも効果がありますが、可能なら半年に1回、モニタリングの時期に合わせて行うと、記録と計画の意味が職員に定着していきます。
児発管自身のために
振り返り会は、職員のためだけではありません。書類に追われて「回すだけ」になっていた1年の中で、自分の作った計画が子どもの成長につながったことを、児発管自身が確認する場でもあります。「あの子の1年前の姿」を読み上げるとき、書類を書いていた夜の意味が、少しだけ見えてきます。
まとめ
年末の振り返り会は、1年前の姿といまの姿を並べ、何が効いたかを職員と話し、根拠になった記録を紹介する1時間です。職員は自分の関わりと記録の意味を実感し、翌年の記録が変わります。そして児発管自身も、書類の向こうにあった成長を確かめられます。
つむぎあいでは、子どもごとに計画・モニタリング・記録が時系列で並び、「1年前の姿」をすぐに振り返れます。振り返り会の準備を短時間で済ませる手段のひとつとして参考にしてください。
