「短期目標については、引き続き支援を継続していきます。」
モニタリング表にこの一文を書きながら、「前回も同じことを書いたな」と感じたことはないでしょうか。子どもは確かに少しずつ変わっているのに、それを言葉にしようとすると、手が止まる。結局、当たり障りのない文章になってしまう。多くの児発管が抱えている、静かな悩みだと思います。
この記事では、考察が同じ文章になってしまう原因と、そこから抜け出すための3つの視点を書きます。
この記事の結論 考察が同じになるのは、文章力の問題ではありません。振り返るときに「事実」が手元にないからです。目標に関係する出来事を日々の記録に残し、事実→解釈→次の手立ての順で書けば、考察は自然に子どもごとに違う文章になります。
なぜ同じ文章になるのか
半年前に書いた計画を見て、モニタリングを書こうとしたとき、頭の中にあるのは「最近のあの子の様子」というぼんやりした印象です。印象から文章を書くと、どの子も「少しずつ落ち着いてきた」「継続して見守る」になります。
印象しか手元にないのは、日々の記録が「今日は元気に過ごしました」という活動の報告になっているからです。記録に目標との関係が書かれていないと、半年分の記録を読み返しても、目標について何が起きたのかが拾えません。
つまり、考察が書けないのは、モニタリングの時期に起きている問題ではなく、その半年間の記録の残し方に原因があります。
視点1:「できた回数」を数える
短期目標が「小集団活動に10分参加できる」であれば、考察の材料は「何回参加できたか」「何分参加できたか」です。半年間の記録から、参加できた日を数えるだけで、「10月は週1回程度だったが、1月には週3回参加できた」という文が書けます。
数えるためには、記録に「参加できた」「途中で離れた」と書いておく必要があります。職員に「目標に関することを一行だけ書いてほしい」とお願いするだけで、半年後の考察の材料が変わります。
視点2:「事実→解釈→次の手立て」の順で書く
考察を書くとき、いきなり評価を書こうとすると手が止まります。順番を決めておくと書きやすくなります。
- 事実:この半年で、目標に関して何が起きたか(記録から)
- 解釈:なぜそうなったと考えるか(どの手立てが効いたか、効かなかったか)
- 次の手立て:だから次の計画ではどうするか
例:「絵カードで活動の流れを示すようになった11月以降、自分から集団に入る場面が増えた(事実)。見通しが持てると不安が減り、参加につながっていると考えられる(解釈)。次期は絵カードを減らし、口頭の説明で参加できることを目指す(次の手立て)。」
この順番で書くと、「継続します」で終わる文章にはなりません。次の手立てが書けない場合は、解釈がまだ定まっていないということなので、担当職員に「何が効いたと思う?」と聞いてみると、答えが見つかることが多いです。
視点3:達成できなかった目標こそ、丁寧に書く
達成できなかった目標を書くのは気が重いものです。「継続」と書いて先送りしたくなります。しかし、達成できなかった目標には、次の計画にとっていちばん大切な情報が含まれています。
- 目標が高すぎたのか(段階を戻す)
- 手立てが合わなかったのか(手立てを変える)
- 環境や体調に変化があったのか(前提を見直す)
このどれに当てはまるかを書くだけで、次の計画の原案は半分できています。「継続」の一言で終わらせると、次の計画でも同じ目標と同じ手立てが続き、半年後にまた同じモニタリングを書くことになります。
保護者に読まれることを意識する
モニタリングは保護者に説明する書類でもあります。保護者は「うちの子はこの半年で何が変わったのか」を知りたくて読みます。「継続して支援します」では、変化が伝わりません。「10月は週1回だった参加が、1月には週3回になりました」と書かれていれば、保護者は成長を実感でき、事業所への信頼にもつながります。
まとめ
考察が同じ文章になるのは、あなたの文章力の問題ではなく、半年間の記録に目標との関係が残っていないからです。記録に「目標に関する一行」を残し、事実→解釈→次の手立ての順で書き、達成できなかった目標こそ丁寧に書く。この3つで、モニタリングは子どもごとに違う文章になります。
つむぎあいでは、ケア記録が計画の目標と結びついて残り、モニタリングの画面で目標ごとに記録を振り返れます。AIが記録を根拠に考察の下書きを作るので、「継続します」で終わらない考察を書く手段のひとつとして参考にしてください。
