年明けの事業所で、ふと手が止まる瞬間があります。パソコンの画面には書きかけの計画書。隣の部屋からは子どもたちの声。「自分は子どもと関わりたくてこの仕事を選んだはずなのに、いまは書類を書くために出勤している」。そう感じたことのある児発管は、決して少なくありません。
児童指導員や保育士として現場で働き、経験を積んで児発管になった。それは評価された結果のはずなのに、気づけば子どもと過ごす時間は減り、面談と会議と書類と職員の相談に追われている。責任は重く、相談できる相手は事業所にいない。この記事は、そんな児発管に向けて書きます。
この記事の結論 書類に追われて子どもを見られないのは、あなたの能力や姿勢の問題ではなく、児発管という役割に集まる仕事の量と構造の問題です。燃え尽きの兆候に早く気づき、「一人で抱える」から「仕組みに任せる」へ少しずつ移すことが、この仕事を続けるための現実的な方法です。
燃え尽きの兆候
次のようなことに心当たりがあれば、少し立ち止まってください。
- 休みの日も計画書のことが頭から離れない
- 保護者や職員からの相談が、以前より重く感じる
- 子どもの成長を見ても、以前ほどうれしいと感じられない
- 「どうせ間に合わない」「何をやっても同じ」という気持ちが増えた
- 体調不良が続いている、眠れない、食欲がない
これらは、怠けや弱さではありません。長く高い負荷にさらされたときに、誰にでも起きる反応です。
なぜ児発管に集まるのか
児発管には、制度上、個別支援計画の作成とモニタリング、保護者への説明が求められています。それに加えて、多くの事業所では、職員の指導、シフト調整、関係機関との連絡、苦情対応、行事の企画、そして現場の支援まで、「誰がやるか決まっていないこと」が児発管に集まります。
つまり、仕事の量は、あなたが選んだものではなく、役割の構造として集まってきたものです。「もっと効率よくできるはずだ」と自分を責める前に、その構造を見てください。
自分を守るための考え方
1. 「完璧な計画」を手放す
すべての計画書を、時間をかけて完璧に書こうとすると、終わりません。計画は半年後に見直すものです。「いまの材料で書ける最善」を書き、次のモニタリングで直す。それが制度の想定している姿でもあります。
2. 「判断」だけを自分の仕事にする
アセスメントの材料集め、記録、原案の骨組み、検討会の準備は、職員と分け合えます。児発管にしかできないのは判断と責任です。「自分がやらなければ」と思っている仕事の中に、実は分けられるものが多くあります。
3. 管理者に「構造の話」をする
「大変です」という訴えは、「頑張って」で終わりがちです。「計画の工程を職員と分担したい」「記録の時間を業務に位置づけたい」「書類の管理を仕組みで減らしたい」と、構造の提案として伝えます。児発管が倒れると計画が止まり、事業所の減算リスクにもなります。管理者にとっても他人事ではありません。
4. 外に相談相手を持つ
同じ事業所に児発管は一人しかいないことが多く、悩みを共有できる相手がいません。自治体や法人内の児発管の集まり、研修で出会った他事業所の児発管、SNSのコミュニティなど、外に相談相手を持つと、「自分だけではない」と分かります。それだけで負担の感じ方は変わります。
5. 子どもと過ごす時間を「予定」に入れる
書類の合間に子どもを見るのではなく、週に一度、「この時間は現場に入る」と決めて予定に入れます。子どもと関わる時間は、児発管にとって仕事の原点であり、アセスメントの材料でもあります。書類のために削ってはいけない時間です。
それでもつらいとき
上の考え方で解決しないほどつらいときは、専門家に相談してください。医療機関、産業医、自治体の相談窓口。「まだ大丈夫」と思っているうちに相談する方が、回復も早くなります。あなたが休むことは、事業所への裏切りではありません。
まとめ
書類に追われて子どもを見られないのは、役割に仕事が集まる構造の問題です。完璧な計画を手放し、判断だけを自分の仕事にし、管理者に構造の話をし、外に相談相手を持ち、子どもと過ごす時間を予定に入れる。それでもつらいときは、専門家に相談してください。あなたがこの仕事を続けられることが、子どもたちにとっていちばんの支援です。
つむぎあいは、児発管の書類作成の時間を減らし、子どもと向き合う時間を取り戻すことを目的に作られています。「一人で抱える」から「仕組みに任せる」へ移す手段のひとつとして参考にしてください。
