「計画のことは全部児発管に聞いて」。そう言われる事業所で、児発管はアセスメントから計画、モニタリング、面談、記録の確認、検討会の運営、関係機関との連絡まで、すべてを一人で担っています。定員10名でも書類は年に数十件。それに加えて現場にも入る。休みの日に自宅で計画書を書いている児発管も珍しくありません。
「自分がやらなければ」という責任感は大切ですが、一人で抱え込む状態は、児発管自身にとっても、子どもにとっても、事業所にとっても良い結果を生みません。この記事では、児発管でなければできない仕事と、職員と分け合える仕事を切り分けてみます。
この記事の結論 児発管にしかできないのは「判断」と「責任」です。材料を集める、記録する、原案の骨組みを作るといった工程は、職員と分け合えます。分け合うほど、児発管は判断に時間を使え、計画の質は上がります。
児発管にしかできない仕事
制度上、個別支援計画の作成は児発管が行うこととされています。ただし、それは「すべての工程を児発管一人で行う」という意味ではありません。児発管に求められているのは、次のような「判断」と「責任」です。
- アセスメントの結果から、その子に合った目標を決めること
- 原案を検討会に出し、意見を踏まえて本書を確定すること
- 保護者に説明し、同意を得ること
- モニタリングで評価し、次の計画の方向を決めること
これらは児発管の仕事です。しかし、それぞれの工程の「材料を集める」部分は、職員と分け合えます。
職員と分け合える仕事
アセスメントの材料集め
アセスメントの項目に沿った観察は、日々子どもと接している担当職員の方が正確にできます。児発管は項目を示し、職員に「この1週間、この項目について見ておいて」と依頼します。児発管は集まった観察を読み、判断します。
日々の記録
記録は担当職員が書くものです。児発管の役割は、記録が計画の目標と結びつく形になるよう、書き方を示すことです。「目標に関することを一行」という枠を作れば、モニタリングの材料は職員が集めてくれます。
保護者への日常的な聞き取り
送迎時の「家ではどうですか」は、担当職員でもできます。担当職員が聞いたことを記録に残してもらえば、面談の前に保護者の状況が分かり、面談が短く済みます。
原案の骨組み
前回の計画とモニタリングから、「達成した目標は次の段階へ」「継続の目標は手立てを変えて」という骨組みを作る作業は、ベテラン職員に一部を任せられます。児発管は骨組みを読み、修正し、判断します。
検討会の準備
検討会で使う資料(前回の計画、モニタリング、最近の記録の抜粋)の準備は、担当職員に任せられます。担当職員が自分で資料を用意すると、検討会での発言も具体的になります。
分け合うための仕組み
「任せたいが、任せ方が分からない」という児発管も多いと思います。次の3つを整えると、分け合いやすくなります。
- 誰が・いつまでに・何をするかを、児童ごとの表に書く
- 記録や観察の「型」を決める(項目、書く欄、一行の書き方)
- 週に一度、15分だけ「計画の進み具合」を確認する時間を持つ
型があれば、職員は迷わず動けます。表があれば、児発管は進み具合を見て、遅れているところだけに手を入れられます。
「任せると質が下がる」という不安
任せることに不安を感じるのは自然です。ただ、一人で全部を抱えて深夜に書いた計画と、職員の観察と記録を材料に児発管が判断した計画では、後者の方が子どもの実態に合っています。任せることは質を下げることではなく、材料を増やして判断の質を上げることです。
最初は小さなところから始めてください。「記録に目標に関する一行を書いてもらう」だけでも、半年後のモニタリングが変わります。
管理者へ伝えること
児発管が一人で抱え込んでいる状態は、事業所としてのリスクでもあります。児発管が休職や退職をすると、計画が止まります。管理者には、「計画の工程を職員と分け合いたい」「そのための時間を職員会議に組み込みたい」と、仕組みとしての提案をしてみてください。個人の負担の話ではなく、事業所の運営の話として伝えると、通りやすくなります。
まとめ
児発管にしかできないのは判断と責任です。材料集め、記録、原案の骨組み、検討会の準備は、職員と分け合えます。型と表と週15分の確認時間を整え、小さなところから任せ始めれば、児発管は判断に時間を使えるようになり、計画の質は上がります。
つむぎあいでは、アセスメント・記録・原案・検討会がひとつの流れでつながり、誰がどの工程まで進めたかを一覧で確認できます。児発管が判断に集中できる分担を仕組みにする手段のひとつとして参考にしてください。
