個別支援計画書は、児童発達支援・放課後等デイサービスの支援の「設計図」です。児童発達支援管理責任者(児発管)が作成し、保護者に説明して同意を得たうえで交付します。一方で「白紙を前にすると手が止まる」「前回の計画をコピーして日付だけ変えてしまう」という声も多く聞きます。
この記事では、様式の基本構成と、アセスメントから目標へ落とし込む手順を整理します。
個別支援計画書の基本構成
様式は事業所ごとに違いますが、記載する内容はおおむね次の項目に整理できます。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 利用児及び家族の生活に対する意向 | 保護者と本人の願いを、できるだけそのままの言葉で |
| 総合的な支援の方針 | 意向を受けて、事業所としてどう支援するかの大枠 |
| 長期目標 | おおむね半年から1年で目指す姿 |
| 短期目標 | おおむね3か月から半年で達成したい具体的な姿 |
| 支援内容(項目・達成目標・支援方法・担当・期間) | 5領域や家族支援・地域連携ごとの具体的な手立て |
| 説明同意日・保護者署名 | 説明して同意を得た日付と署名 |
令和6年度の報酬改定以降、支援内容は「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域とのつながりを明確にすることが求められています。項目ごとに「この支援はどの領域にあたるか」を示す欄を設けておくと、あとから説明しやすくなります。
書き出しで迷わないための手順
1. アセスメントを「文章の材料」として整理する
計画書の文章は、アセスメントの結果から生まれます。発達検査の結果、日々の様子の記録、保護者アンケート、前回のモニタリングの考察を、領域ごとに並べて「できていること」「もう少しでできそうなこと」「困っていること」に分けます。ここが整理できていると、目標はほぼ自動的に決まります。
2. 意向は「保護者の言葉」で書く
「社会性の向上を希望」のように要約すると、保護者から見て自分の願いだと感じにくくなります。「友だちと一緒に遊べるようになってほしい」「朝の身支度を自分でできるようになってほしい」と、面談で出た言葉に近い形で残すのが基本です。
3. 長期目標は「姿」、短期目標は「行動」で書く
長期目標は「友だちと一緒に活動を楽しめる」のように、目指す姿を書きます。短期目標はそれを分解し、「職員の声かけで、3人程度の小集団活動に10分参加できる」のように、誰が見ても達成したかどうか判断できる行動で書きます。「〜できる」「〜する」で終わる文にすると、モニタリングのときに評価しやすくなります。
4. 支援内容は「職員が何をするか」を書く
目標に対して、職員が何を・どのように行うかを書きます。「見守る」「促す」だけでは、担当が変わったときに同じ支援ができません。「活動の前に絵カードで流れを確認し、参加できたら具体的に褒める」のように、手立てを具体的に記します。
5. 前回の計画とモニタリングを必ず横に置く
2回目以降の計画は、前回の計画とモニタリングの考察から出発します。「達成した目標は次の段階へ」「達成できなかった目標は、手立てを変えて継続」と、つながりが分かる形で書くと、支援の積み上げが見える計画になります。
保護者に伝わる計画書にするために
- 専門用語には短い説明を添える(例:「感覚統合」→「体の動きや感覚の受け止め方を整えること」)
- 一文を短くし、否定的な表現より「こうなってほしい」という前向きな表現を使う
- 家庭でできることがあれば、家族支援の欄に具体的に書く
まとめ
個別支援計画書は、アセスメントで集めた材料を、意向・方針・目標・支援内容へ順に落とし込む書類です。書き出しで手が止まるときは、文章を書く前に「材料の整理」に戻ると進みます。
つむぎあいでは、アセスメントの結果と前回の計画・モニタリングを元に、AIが原案の下書きを作成します。児発管は白紙から書くのではなく、下書きを読んで「この子に合っているか」を判断することに時間を使えます。
